なにも比べず金子眼鏡で買ってしまったのはなぜだろう?

Faicail-Index-New York-Kaneko-Megane

 

日頃、ブランドのウエブやサービスまでを含めたデザインやUXについて深く考えて

いるから、自分が購買行動を起こした後、行動を冷静に振り返って学びを得るのが

癖となってしまっている。

 

金子眼鏡を初めて知ったのは何年も前の羽田空港の国際ターミナルでのことだった。

しかし、その時の記憶を遡れば、このブランドってやっぱり鯖江だよね、って感覚

があったから、きっと福井で暮らしていた10代の頃からCMなどで一度は聞いたこと

がある名前だったのではないかと思う。なぜか金子という苗字が、眼鏡という言葉

とぴったりだという感覚がわたしにはある。眼鏡とくれば、金子だろうというふうに。

 

確かその時も、わたしは羽田空港で夜中の搭乗を待つ間に、真っ黒なメガネフレーム

を衝動買いした。そして、あれから一度もレンズを付けにお店には戻らなかったから

ほぼ一度もかけることのない伊達眼鏡で終わってしまった。理由は家族にウケがよく

なかったから。かなりとほほな理由ではある。

 

ちなみにわたしは、衝動買いをすることはあまりないし、そもそも物を買うことが

それほど好きではない。にも関わらず、金子眼鏡はなぜわたしに買わせることに成功

したのだろう? その時のことはよく覚えてないが、確か彼らは誰もわたしに眼鏡を

売ろうとはしていなかった。

 

一昨日、ものすごい北からの強風が吹いた日、妻がそろそろ本気で眼鏡が必要になった

と言うので、確か丸の内仲通りに良さげな眼鏡店がいくつかあったなと思い出し、

そこに向かった。東京駅から歩いて10分もかからないと思ったが、風が邪魔をしてなか

なか前に進めず、その眼鏡店に入店した頃にはすっかり身体が冷え切っていた。

 

だからお店に入った直後は、そこが天国にさえ思えた。おしゃれでなんて暖かい空間。

最初に声をかけてくれた店員さんが、ハヅキルーペのCMに出ている小泉孝太郎に見え

たくらいだ。そのお店は、Facial Index New Yorkという名の金子眼鏡のお店だった

(実はそこにたどり着くまでそこが金子眼鏡か否かはよくわかっていなかった)。

どうやらNew Yorkにもお店があるのだな、ということが名前から想像がついた。

 

いくつか手にとって見た後、正直、この強風下でもう一軒別の店で比べる気は失せて

いた。ここで決めても良いな、と思った理由はいくつかある。もちろん気に入った

デザインのグラスがあったということは動機のひとつではあるが、サングラスなら

ともかく、それだけではこの手の技術が伴う製品は買えない。

 

1)福井への地元愛(でも、これだけでは買えない)。

2)老舗イメージ(おそらく子どもの頃からの刷り込み? これだけでも買えない)。

3)店員さんの質=品質(自然体でひつこくなく、しかし勉強熱心で知識が豊富)。

4)人が少なく整理整頓され、居心地が良い(悪天候という外的要因の理由もある)。

5)時間の制約(できれば迷って何度も足を運びたくないという心理)。

 

眼鏡職人の名が冠されたブランドがあることも、そのお店を気に入った理由のひとつ

だった。わたしたちはモダンなデザインをする伝統工芸家や、山のなかでもくもくと

何かを削ったり磨きをかけている職人に弱いという傾向がある。

 

それらはすべてわたしのインターネットでは買いたくないものリストに入っている。

どんなに不便な思いをしても、見にいくのが楽しみなのである。そしてできれば作家

と話して買いたいとさえ思っている。そういう体験がとても大切な世の中になって

しまったと感じる。

 

自分がその時、そこで買ってしまった理由を降り返る作業はなんとも面白い。ネット

を一切調べず、物を比較せず、最初の店で購入した例としても覚えておいて損はない。

こういう買い方をする人は、わたしたちの世代には結構いるはずだから。

 

マーケッターやクリエーターは、いかに人々の感情を(自分さえも)俯瞰から見るこ

とができるか、が大事な資質となる。しかし、それは冷めているとか、ドライである

ことを意味しない。買い物の時はあくまでも専門家であることを忘れて、武器をもた

ない丸腰の買物客そのものでなければならないのだ。つまり、ほぼ直感や衝動に頼って

動け、ということになる。

 

納得したら、日頃から、訓練してみよう。

 

以下、Facial index New York 金子眼鏡

http://www.facial-index.com/ (なぜか不便にもフラッシュ対応のみ閲覧可)

http://www.kaneko-optical.co.jp/jp/company/stores/facial.html

 

ワイズアンドパートナーズ代表 結城喜宣

 


 
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Ys and Partners(本社カリフォルニア州アーバイン市)では、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、これまで50社以上の大手日系企業に、マーケティング領域のなかでも、米国向けの製品開発、販路開拓、PRやプロモーションのご支援をしてきました。日本オフィス(東京と横浜)では、北米を目指すクライアントに初回無料コンサルテーションを提供しています。

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